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1. ZWO AM5 Mountにカウンターウェイトが必要ない理由
AM5は従来の赤道儀とは異なり、ウォームギアで駆動しバランスを取るため、カウンターウェイトを必要としません。AM5では、天体写真用にカスタマイズされた高トルクの波動歯車減速機を採用しています。そのため、架台のバランス調整やカウンターウエイトを使用する必要がありません。架台に望遠鏡を取り付けるだけで、簡単かつ迅速に撮影を開始することができます。

波動歯車減速機は、単位面積あたりの圧力は小さく、一方で全体の負荷容量は大きいという特性があり、産業用途で広く使用されています。カウンターウェイトを用いることなく、AM5は最大13kgまでの重量を引き上げることができます。




 2. カウンターウェイト無しのAM5の安定性について
従来の架台で天体写真撮影を経験してきた方からすれば、カウンターウェイト無しでの使用に慎重になるかもしれません。 しかし、カウンターウェイトをなくすことで、機材全体の重量が減り、天体写真撮影のために重いカウンターウェイトを持ち運ぶ必要がなくなることは明らかなメリットです。 AM5は箱から出してすぐに使える赤道儀なのです。

重ければ機材が安定するのは間違いありませんが、重量だけでなく機械的精度や個人の体力についても考慮すべきです。AM5自体は、カウンターウェイトを取り付けない場合、13kg以下の荷重であれば、良好な安定性と精度を保つことができます。 下写真のように付属のウェイトスリングは、ポータブルバッテリー、バケツ、石など、あらゆるもの入れることができ、重量を確保することで機材全体を可能な限り安定させることができます。




3. AM5の波動歯車減速機の一般的なものとの違い
工業用の波動歯車減速機は市場にたくさんありますが、精度を考慮すると天体写真撮影に使うことはできません。 カメラも同様に、工業用カメラがたくさんありますが、惑星や深宇宙の撮影には適していません。そこで、天文専用カメラを開発しました。

ZWOは10年以上前から天体写真の分野に深く関わってきました。天体写真への情熱をベースに設立された会社なので、アマチュア天体写真家の気になるポイントしっかりを把握しています。天体写真撮影に用いる波動歯車減速機には、ピリオディックエラーが小さく、伝達比が大きく、トルクが大きく、小型で、軽量で、さらに世界中の様々な気温の地域で使用できることが求められます。 これらの厳しい要求の中で最も重要なのは、ピリオディックエラーを±20アーク秒の適正範囲に収めることであり、これは産業用の波動歯車減速機にとって非常に難しい要求です。

ZWOは中国の有名な専門メーカーと協力して、天体写真専用波動歯車減速機を開発し、様々なアマチュア天体写真家の望遠鏡とそのシーイング条件に対して、各マウントのガイド精度が十分良好な0.5″〜0.8″に安定して保たれるようにしました。


 


4. ZWOの波動歯車減速機の品質確保について
品質を確保するため、試験方法に工夫を凝らしています。 これまで、架台を製造しているメーカーからは、減速機の部分的なピリオディックエラーを報告書に記載しています。 当初はZWOも架台のピリオディックエラーを1〜2周期示すような報告書を作成していました。 しかし、開発チームが研究した結果、波動歯車架台のピリオディックエラーはウォームギアマウントのそれとは異なることが判明しました。 波動歯車の「ピリオディックエラー」といっても、実はそれほど「ピリオディック(周期的)」な誤差ではないのです。つまりは、個体ごとに誤差があることを発見したのです。 このような発見から、ZWOはそれぞれの架台の全周のピリオディックエラーをテストすることにしました。

24時間でレデューサーが1回転し、全周期は360°です。 各架台の全ピリオディックエラーを精査するのは、非常に手間のかかる作業でしたが、私たちはそれを成し遂げました。 現在、AM5のパッケージを受け取ると、カスタムレポートが箱の中に入っており、あなたの架台のレデューサーを明確に確認することができます。


5. PE(ピリオディックエラー)レポートの封入場所について
前述のとおり、紙のPEレポートは、架台のクイックガイドと一緒にAM5の箱に入っています。 レポート上のQRコードをスキャンすると、オンラインテストレポートが表示され、ダウンロードして友人と共有することができます。 レポートは、ZWOのサーバーに永久に保存されます。


6. PEレポートについて

ZWOは、各AM5架台の最大ピリオディックエラーが±20秒の範囲内にあることを標準としていますが、避けられない製造上の違いにより、各架台は独自のピリオディックエラーカーブを持ち、最大ピリオディックエラーの値も異なっています。ユーザーによっては、自分のAM5架台の最大ピリオディックエラーが、他の架台に比べて極端に小さいと感じるかもしれません。 しかし、ピリオディックエラーの合計が40秒以下であれば、それは当社の許容範囲内であり、1秒間のガイド露出で0.5″〜0.8″の良好なガイド精度を得ることができます。

ピリオディックエラーが小さいほど、架台はガイドなしでより良いトラッキング精度を達成することができます。

以下のレポートをご覧ください。左のレポートは、最大ピリオディックエラー35.9秒角、おおよそ0.21″/sのトラッキング精度を示しています。

 
0.21″/sは、オブジェクトをトラッキングする際に、架台が1秒間に0.21アーク秒のずれが生じていることを示しています。シーイングなどの影響を考慮しなければ、これはガイドを有効にし、1秒間のガイド露出※を使用した場合、最大ピリオディックエラーの下でマウントが得ることのできる理論上最良のガイド精度と考えられます。

(※ガイド露出を0.5秒に落とすと、ガイド精度は1/2になります)。
右のレポートでは、最大ピリオディックエラーが15.9アーク秒と小さくなっており、したがってトラッキング精度も0.074″/秒と向上しています。 このような高い精度により、架台はより良い理論的なガイド精度を得ることができます。

とはいえ、シーイングや風など、架台の最終的なガイド性能に影響を与えるあらゆる要因から、理論上の最高ガイド精度を達成することはほぼ不可能であることは周知の事実です。 特にシーイングとガイド精度の関係を見ると、シーイングが最終的なガイド性能に大きく影響することがわかっています。



7. 全周期変動グラフと最大周期変動グラフの部分拡大図について
全ピリオディックエラーグラフは、波動歯車減速機が1回転360°の全稼働期間において、異なる位置で発生した誤差を表したものです。上の2つのレポートを例にとると、左のレポートは最大PEが35.9アーク秒、最小PEが25.3アーク秒です。右のレポートは、最大PEが15.9アーク秒、最小PE が3.8アーク秒です。

波動歯車架台のピリオディックエラーを検証するためには、ある特定の位置だけを検証してはいけません。得られる結果が非常に限定的なものになるからです。

左図の低点から高点までの継続時間は172.8秒なので、レデューサーの1秒あたりの最大誤差は0.21″と計算できる。 つまり、1秒あたりの誤差を補正するガイド露光を1秒と仮定すると、補正できたとしても0.21″の誤差があることになります。 撮像時の他の要因を考慮したとしても、0.5″〜0.8″のガイド精度を確保することができます。

周期的な誤差が小さいほど、ガイディングの結果は良好です。 しかし、前述したようにシーイングは無視できない重要な要素です。 シーイングがあると、0.5″より小さいガイド精度を得ることは非常に難しくなります。


 


8. AM5マウントにPEテストレポートが付属している理由
波動歯車のピリオディックエラーは不確かで不規則なため、各ギアについて全周期テストを行い、最大誤差が±20秒の範囲に収まっていることを確認する必要があります。 全周期試験を行わず、単周期試験のみを行った場合、不適格な製品が市場に出回る可能性があり、お客様にも大変ご迷惑をおかけすることになります。

下のサンプルを見てください。ある期間では30.9アーク秒という低い誤差になり、ある期間では92アーク秒の誤差になります。明らかに、基準値に達していません。




9. ピリオディックエラー、ガイド精度、星の大きさの関係について
ピリオディックエラーは、ガイド精度に影響します。ガイド精度は、星を十分に丸くできるかどうかを決めるものです。ガイド精度が星の大きさの1/4以下であれば、ほとんどの場合、画像に星軌が残ることはないでしょう。 画像の中の平均的な星の大きさを調べれば、どの程度のガイド精度が必要なのかがわかります。

例えば、ガイド精度が0.5″であれば、基本的に2″以上の星サイズに対応できます。

星の大きさを左右する重要な要素のひとつにシーイングがあります。シーイングが良く、口径の大きな望遠鏡であればあるほど、星の大きさは小さくなり、結果として高いガイド精度を要求することになります。




10. ZWO AM5がPECを内蔵していない理由
PECは周期的な誤差補正のことです。 ある周期のエラーカーブを記録し、被写体撮影時にそれを再生することで、架台がエラーを修正することができるのです。 従来はウォームギア式マウントのほとんどがPEC機能を搭載していました。 PECは、ガイドを使わない天体写真撮影には非常に有効です。しかし、深宇宙天体の撮影ではガイドを使用するため、PECは必須の機能ではありません。 また前述したように、波動歯車の「ピリオディックエラー」は、実はそれほど「ピリオディック(周期的)」ではないのです。変化が不規則なので、エラーカーブを再生してもエラー修正の役には立たないのです。


まとめ
世界に同じ葉は2つとして無いように、同じ波動歯車減速機のエラーカーブも2つとしてありません。 各AM5ユーザーが受け取るAM5 PEカーブはその個体特有のものでありますが、当社によって適格であることが保証されています。AM5で天体写真撮影の旅を楽しんでください。 私たちはいつでも喜んでお手伝いさせていただきます。